マルシェイベントやインターネットなどで消しゴムはんこを販売する「はんこ屋クサムラクモ」が8月22日、「手話はんこ」を発売した。
同店は2010(平成22)年にオープン。山形市在住の消しゴムはんこ作家・伊東加奈子さんが彫った動物や植物、昆虫などの作品を販売するほか、似顔絵などもオーダーメードで受け付けている。今年5月には手指の形や動きで日本語の五十音や数字などを表す「指文字」のはんこを発売した。
伊東さんは「長女が手話に興味を持ち、昨年10月から子どもたちと山形市内の手話サークルに通っている。指文字を覚えるのが難しいと感じていた時に、手話が共通言語のスターバックス nonowa国立店(東京都国立市)のエプロンデザインに指文字が使われているのを見た。とてもかっこいいと思ったし、指文字をはんこにすれば覚えやすいのではないかと考え制作した」と経緯を説明する。
指文字はんこは、「がぎぐげご」などの濁音や「ゃ」などの拗(よう)音を含む日本語の五十音、0~9の数字、A~Zのアルファベット(アメリカ手話)をそろえる。今回発売した「手話はんこ」は、猫をモチーフにした同店のキャラクター「あおたん」が手話で「よろしくお願いします」や「ごめんなさい」などのあいさつを表出した様子を彫った。
伊東さんは「マルシェに出店した時に指文字はんこを並べたら、聴覚に障がいのある方や手話関係者が立ち止まってくれるようになった。指文字でもこれだけ反響があるのだから、日常的に使う手話をのせたデザインなら、もっと手話に興味を持ってもらえるのではないかと思い手話はんこも制作した」と話す。「今後は、実際に手話を使う方に聞いて、より使いやすいはんこを考えていきたい。今回は猫のキャラクターをモデルにしたが、似顔絵を組み合わせたり、簡単な文を作ったりしても面白いのではないかと考えている」とも。
価格は指文字はんこ=500円、手話はんこ=1,000円。名前を組み合わせた指文字はんこなどのオーダーメードも可能。イベント出店やインターネットで販売する。