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山形の企業が野菜特化の防災ボックス販売 ろう学校や大学と連携

防災ボックス「いつもともしも やさいぼうさい」

防災ボックス「いつもともしも やさいぼうさい」

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 生活雑貨や消防・防災関連用品の販売を手掛ける「西谷」(山形市本町2、TEL 023-622-5677)が3月11日、非常食野菜を詰め合わせた商品「いつもともしも やさいぼうさい」の販売を始めた。

防災ボックス「いつもともしも やさいぼうさい」に入るスープ

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 2020年3月から防災ボックス商品を企画してきた同社。これまで、断水時に便利な防災グッズを集めた商品や、スイーツに特化した商品などを販売してきた。今回は、同社の西谷友里さんがSNSなどを通じて集めた、災害時の野菜に関するエピソードに着想を得て商品化した。

 西谷さんは「災害時には、栄養が偏り口内炎や肌荒れに悩まされたとか、野菜があっても調理できなかったという声をいただいた。そもそも現代人は野菜不足と言われることも多いが、災害時はいつも以上に不足すると考え、日常でも災害時でも役立つ野菜に特化した防災ボックスを考えた」と話す。

 ボックスの内容は、トマトやカボチャなどの野菜が入った4種類のスープ、肉じゃが、筑前(ちくぜん)煮、豚汁、木製スプーン、使い捨て丼など。製造日から5年保存可能な「野菜の非常食」のみを集めた。

 ボックスには、東日本大震災発生10年を機に東北学院大学(宮城県仙台市)で発足した学生団体「震災と復興プロジェクト」と共同で考案したレシピをまとめた「非常食アレンジミニレシピブック」を同梱(どうこん)する。

 レシピブックは手のひらサイズの小冊子で、山形県立山形聾(ろう)学校高等部(山形市)の生徒が製本を担当した。製本作業に先駆けて、山形県立山形聾学校高等部2年生5人は、昨年11月に同社を訪問した。

 同校教員の深瀬笑梨さんは「校内だけでなく、学外とのつながりも高校生のうちに体験してもらえればと思い機会を設けた」と話す。訪問時には、音声認識で声を文字化するアプリなども活用して非常食の作り方などを学んだほか、災害時の困りごとに関する意見交換なども行った。同社では、今後の防災ボックス企画に役立てていくという。

 西谷さんは「被災者の声だけでなく、大学生や高校生の思いも詰まった防災ボックスになった。これからも東日本大震災の経験を次世代につなげ、山形から全国に向けて、安心と備えを届けていきたい」と話す。

 「やさいぼうさい」の価格は4,000円(送料別)。予約は「西谷」の店舗とホームページで受け付ける。

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