大江町所有の空き家を6月10日、東北芸術工科大学コミュニティデザイン学科の学生らが町と共同でリノベーションし、シェアハウス「縁屋(えんや)」としてオープンした。
同学科では各ゼミを「スタジオ」と呼び、スタジオごとに県内の市町村に入り、実践的なまちづくりの授業を行っている。縁屋は、「大江町空き家利活用モデル住宅」として同町が所有する物件で、同学科の岡崎エミ准教授のスタジオ生9人が、同町で進めるまちづくり事業の拠点となることを目指しシェアハウスとして新たに生まれ変わらせた。
かつて八百屋と住居として使われていた物件の総床面積は約275平方メートル。6月10日に改修工事を終え、生徒たちが地域住民と共にペンキ塗りなどのDIY作業を行い、住まいとして使える状態になったという。入居者第1号は、授業に参加していた同大3年生の村山夏渚さん。
村山さんは「最初は授業という感覚だったが、今では町が元気になればとの思いが生まれ、積極的に関わりたくなってきた。町の人が気軽に遊びに来てもらえるような場になれば」と話す。
シェアハウスの正面は元店舗部分で、住民との交流の場やイベントスペースとして活用していく予定だ。今後はさらなるリノベーションのための資金調達と未改修部分のDIYを進めていくという。
岡崎准教授は「実際に住むことで見えてくるものがある。地域に根ざした研究ができることが山形にある芸大ならでは。空き家は町の課題ではなく財産としてとらえ、いろいろな事情をクリアして若い人とのマッチングを図りたい。古い建物でも若い人の集まる場にできるという事例を地域の人に見てもらえれば」と期待を込める。