
株式会社TRAPE(本社:大阪府大阪市、代表取締役:鎌田大啓)は、山形市から受託した「令和7年度 山形市生産性向上モデル事業」 において、山形市内の障がい福祉事業所に対する伴走支援・定着支援を実施しました。
「日々の業務に追われて自分たちの支援を振り返る時間がない」「職員によって利用者への対応がバラバラになっている」
障がい福祉の現場から挙がったこれらの切実な声に対し、私たちは外部からいきなり解決策を押し付けるようなことはしません。
私たちが目指したのは、支援が終わった後も現場が自律して進化し続けられる組織文化の醸成です。
「対話」を重ね、徹底した「準備(準備8割)」を通じて、課題の絞り込みから解決策の策定までを現場の職員自らが主体となって行うプロセスを何よりも大切にしました。
その結果、情報共有の不足や支援のバラつきが解消されただけでなく、支援の質向上や、「自分たちの手で現場を良くしていける」という職員の自律的な意識が、現場自身の力によって生み出されました。本事業で障がい福祉現場の皆さんが自ら切り拓いた、リアルな変化をお伝えします。
障がい福祉を取り巻く環境は、人材の確保・定着の難しさや、利用者ニーズの多様化・複雑化などにより、年々大きく変化しています。こうした中、「生産性向上」や「ICT化」は喫緊の課題とされています。実際の現場からは、「記録や事務作業に追われてしまう」「利用者と直接向き合う時間が少ない」といった切実な声が上がっています。
こうした状況を受け、ICT機器の導入や業務効率化を急ぐ動きも見られますが、表面的な対策にとどまり、現場に定着せずに終わってしまうケースも少なくありません。
その最大の要因は、ICTや仕組みを導入する前に、「現場の課題を職員同士で共有し、同じ方向を向いて解決策を考えるための準備」が不足していることにあります。
障がい福祉における生産性向上とは、単なる効率化ではありません。
障がい福祉における生産性向上とは、各法人・事業所が組織全体で現場の課題に向き合い、理念の実現を妨げる障壁を取り除きながら、当事者視点に立ったケアの充実を目指す取り組みです。すなわち、当事者視点に立ったケアの充実のために、「支援者一人一人の力を引き出し、チームでその力を利用者に届けることで、新たな価値を生み出すこと」を意味します。
こうした考え方のもと、本事業では山形市内の障がい福祉事業所をモデル事業所として選定し、単なるマニュアル化や時短にとどまらない、業務の見える化やコミュニケーションの改善を通じた本質的な生産性向上の支援を実施しました。
さらに、その取り組み内容や成果を成果報告会等で広く発信することで、市内事業所における理解促進と実践の拡大を図っています。
今回の伴走支援では、厚生労働省が出している「障がい福祉現場における生産性向上の基本的な考え方」や「介護事業所における生産性向上ガイドライン」をベースに、特に「ステップ1」と「ステップ2」に徹底的にこだわりました。
経営層が「ここで働きたいと思える職場環境を全員でつくりたい」という想いをまず初めに言葉にし、その後に全職員へのアンケートで「現場の困りごと」を徹底的に可視化しました。重要なのは、可視化されたデータをもとに、現場の職員自身が対話を重ねて「どの課題から取り組むか」を絞り込み、具体的な解決策まで自分たちで考え抜くプロセスに最も時間をかけたことです。
この「自分たちのルールを自分たちで作る」という“準備8割”のアプローチこそが、指示待ちの風土を打破し、現場が自律的に動き出す最大のカギとなりました。
【児童発達支援・放デイ】曖昧な支援からの脱却!職員の“対応の迷い”をなくす業務改善で、利用者(児童)に笑顔が増えた
【現場の課題】
日々の業務に追われていたことから、支援に関するミーティングが月に1度しか取れず自分たちの支援を振り返る場がなかった。また、話し合っても結論を出さずに終わることが多く、「支援の方向性が職員によって異なる」「良い支援が提供できていない」という状況に陥っていた。
【アプローチ】
各職員の業務を洗い出し「業務見える化シート」を作成。誰が何をしているかを可視化することで隙間時間を見つけ出し、毎日のミーティングの時間を捻出した。さらに、「全員が一度は発言する」「リーダーを中心に、必ず『結論』をその場で出す」というルールを徹底した。
【生まれた変化】
「利用者情報が共有できていない」という課題感が55%減少し、「支援の方向性が統一されている」と感じる割合が34%増加した。
支援の方向性を統一したことで、利用者にも大きな変化が起きた。特定の要求が通らないと激しいパニックを起こしていた利用者(児童)に対し、ミーティングで背景をアセスメントした結果、「職員によって対応が違うことへの不安」が原因だと考えた。全職員で明確な基準を定め、一貫したルールと視覚的なサポートを用いて関わるようにした結果、児童に見通しと安心感が生まれパニックが減少した。意思疎通ができた安心感から、利用者の笑顔が目に見えて増えるという結果に繋がった。

- これまで『支援には正解がない』ことを理由に方針を曖昧にしてきましたが、それはある種の『逃げ』だったのだと気づかされました。まずは仮で良いので支援方針を明確にし、全職員で具体的に行動してみることが何より大事なのだと学びました。
- 業務の見える化シートによって、いま自分が何をすべきか、周りが何をしているかを明確に知ることができました。事業所の空気感が変わり、ミーティングでもたくさんの意見が出て、より良い支援に繋げることができています。
- 年齢や経験に関わらず、意見を言いやすい環境が事業所を良くしていくのだと感じました。これからも、『こうしてみたい』という声が次々と上がるような環境を維持していきたいです。

株式会社INFINITY
KIDSLAND Believe
代表取締役 大泉 信一様
当社は2024年4月に創業し、同年9月より児童発達支援・放課後等デイサービス事業所を開設しました。開設当初は職員や利用者の確保に苦戦し、日々の運営を維持することで精一杯の状況が続いていました。運営が徐々に安定してくる中で、現場における「働きやすい職場環境」の整備が重要な課題であると感じ、山形市で実施されている本事業に参加させていただきました。
取り組みを進める中で、業務内容の整理不足や職員間の情報共有、業務の優先順位の不明確さなど、現場が抱える具体的な課題が明らかになりました。これらの課題に対応するため、業務の見直しや整理を行うとともに、職員でミーティングを重ねながら職場全体で改善に取り組みました。
その結果、取り組み後のアンケートでは「1日の業務内容や負担感」「職員同士の連携」「業務の優先順位」などの項目において改善が見られ、業務の進め方や職員の意識に前向きな変化が生まれていることが確認できました。
今回の取り組みは、職員が安心して働ける環境づくりにつながり、結果としてより質の高い支援にも結びついていくものと考えています。
今後も本取り組みを継続し、職場環境のさらなる改善と支援の質の向上に努め、児童福祉の発展に貢献してまいります。このような貴重な機会をいただきましたことに、心より感謝申し上げます。
山形市では、令和4年度と令和5年度に介護業界における生産性向上の取り組みとしてモデル事業を行ってきました。令和6年度からは介護業界から他業界への横展開をテーマとし、令和7年度は児童発達支援・放課後等デイサービスを運営する障がい分野の事業所をモデル事業所に選定し、生産性向上の取り組みを行いました。
この事業所では、利用者支援についての話し合いや検討が不足しているという課題があったため、各職員の業務を見える化することで隙間時間を捻出し、ミーティングの時間を確保することや、ミーティングの目的や進め方の明確化に取り組みました。
その結果、支援の方向性の統一や、自分たちが思う良い支援の実現に繋がり、働きやすさ、働きがいが向上したという成果が出ております。
特に、生産性向上に取り組んだ結果、利用者に笑顔が増えたという成果は、生産性向上が単に業務効率化だけを目指しているものではなく、その先にある利用者へのケアの質向上という最終的な目標につながるものであるということを再認識しました。
今後もモデル事業所として取り組みを経験したメンターの方々とともに、介護・福祉分野における人材確保、定着に向けた生産性向上の取り組みを山形市内の各事業所へ広げていきたいと思います。
<株式会社TRAPE(トラピ)の生産性向上における取組み概要>
株式会社TRAPEは、2017年の介護業界において生産性向上という言葉が用いられた黎明期から、以下の活動を行ってきました。
- 厚生労働省の事業所向け「生産性向上ガイドライン」および自治体向け「生産性向上ガイドライン」の作成・改編に深く関与
- 全国の介護生産性向上総合相談センター(ワンストップ窓口)が活用する「設置・運営に係る手引き」の改編にも参画 2020年~2025年にわたり、厚生労働省主催の介護事業所向け生産性向上全国セミナーにて講演を担当
- 全国で伴走支援を行う企業向け研修の講師を2年連続で担当 生産性向上に関する研修・ワークショップ・伴走支援を通じて、13,000を超える介護事業所の経営者・ミドルリーダーと対話を重ねる
- - 施設サービスから在宅サービスまで幅広い介護事業所に対して伴走支援を実施
- 生産性向上、働きがいの向上、自律的な人材育成の3つを同時に実現する支援を展開
- 介護ロボット相談窓口(厚労省プラットフォーム事業)における業務アドバイザーとして活動
- - 2022年:全国17窓口中6窓口を担当
- - 2023年:全国16窓口中6窓口を担当
- - 2024年度:全国11窓口中7窓口を担当
- 2023年以降、全国の都道府県におけるワンストップ窓口と業務締結し、先進的な取り組みの設計・支援を実施
- 介護助手や協働化事業のモデル地域づくり事業を全国で実施
- 「ケアプランデータ連携システム」の普及に向けた地域モデル事業の構築支援を、全国の都道府県・市町村に対して実施
- 2025年、弊社代表の鎌田が委員として参画した厚生労働省の調査研究事業(障害福祉分野における生産性向上)において、今後の土台となる「障害福祉における生産性向上の定義」を策定し、「障害福祉現場における生産性向上の基本的な考え方」として取りまとめました
■地方公共団体による『ケアプランデータ連携システム』活用セミナー
【2023年12月6日(水)開催】
(モデレーター:株式会社TRAPE 鎌田大啓)
https://youtu.be/HSjxEQKTxyI?si=0LNQJ5sb99oigAkT
■全国自治体向け『地域が取り組むケアプランデータ連携のいま』オンラインウェビナー
【2024年12月4日(水)開催】
第2部:TRAPE の鎌田氏と聞く!新たな普及施策と事業者の声
https://youtu.be/bMWKwkF5SFY?si=zm4w7UIw-5cLKc4R
■ケアプランデータ連携システム フリーパスキャンペーンオンライン説明会
【2025年3月14日(金)開催】
利用者の立場から考えるケアプランデータ連携システムへの期待
https://youtu.be/D-oOSOJcePM
■地方公共団体及び国民健康保険団体連合会様向けオンラインセミナー
【2026年1月14日(水)開催】
(モデレーター:株式会社TRAPE 鎌田大啓)
https://www.youtube.com/live/IaM6JXWRWxo?si=Nl3s_JJMaGvV7MTH
【
株式会社TRAPE(トラピ)について】
代表:鎌田大啓
本社:大阪市淀川区西中島5-11-9 新大阪中里ビル3F
URL:
https://trape.jp/
設立:2015年9月
事業内容:
「生産性向上くん(R)?」
介護現場の生産性向上は、いきなりICTや業務改善ではうまくいかず、チームで課題を共有し目線を揃える“準備”が鍵となる中、「生産性向上くん(R)」はその“準備8割”を現場で実行できる、委員会運営から課題の見える化・分析までを一体で支援する完全無料のオンラインツールです
「Sociwell ソシウェル」
介護職員の働きやすい職場環境づくりを実現し、内閣総理大臣表彰受賞施設を生み出してきた実績を持つ、フルオンラインで「生産性向上」「働きがい向上」「リーダー育成」を同時に実現する伴走支援サービスです。
「介護経営者クラブ」
介護経営者クラブは、TRAPEの伴走支援を通じて生産性向上を実践してきた事業所が集い、組織の枠を超えて経営者同士が対話を重ねながら実践知を共有し合うとともに、外部の方々も参加できる会員制コミュニティです。
「厚生労働省・自治体関連事業」
人手不足や社会環境の変化に直面する中で、各種モデル事業の立ち上げ(0→1)から既存施策の発展(1→10)までを一気通貫で支援し、地域に新たな価値を生み出し続ける、高齢者支援セクションにとっての信頼できる実行パートナーです。
株式会社TRAPE 広報担当 宛
E-mail:info@trape.jp
https://trape.jp/contac