東京都出身画家の小林舞香さんが現在、蔵王温泉の旅館に滞在しながら創作活動を行うプロジェクト「蔵王画家暮らし」を展開している。2月21日はトークイベントなどに参加できるモニターツアーを行う。
小林さんは蔵王温泉の旅館やホテルに滞在しながら、各施設に合わせた作品の制作をするほか、アーティストが街に滞在して創作活動を行う「アーティスト・イン・レジデンス」の場にするための仕組みづくりや、SNSなどを使い制作の様子や蔵王温泉の情報の発信を行っている。同プロジェクトは観光庁の「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」実証事業の一環。
小林さんは「創作活動の場としての蔵王温泉がアーティストに認知されていくことも目的としている。作品を販売する場所やギャラリーを整備していくことも必要だと感じているし、アーティスト向けの滞在プランも検討していきたい」と話す。
蔵王での創作活動については「何よりもフォトジェニックな景色に囲まれていることが魅力。私の作品はビビッドな色使いのことが多いが、蔵王温泉で描いた作品は、テーマは違っても色の系統は似ていて、落ち着いた配色になる」とも。制作した作品は、各旅館やホテルに展示する。
壁画師としても全国各地で活躍している小林さんは、昨年10月に土産店「尚美堂」(山形市七日町)のシャッターに壁画を描いたことをきっかけにプロジェクトに参加した。1月にはアートによる地域活性化などを行う「株式会社YAMAGATA Growth Hackers(ヤマガタグロウスハッカーズ)」(山形市七日町)を設立。今後も、蔵王温泉の旅館やレストランなどでの壁画の制作も予定しているという。
小林さんは「七日町の壁画をきっかけに縁が広がりつつある。1人のアーティストとして、山形の酒蔵や民芸品とのコラボもしていきたい」と笑顔を見せる。
2月21日は、山形駅発着で蔵王温泉街の街歩きツアー、蔵王温泉の6軒の旅館やホテルで制作した作品の展示会とトークイベントを行う。定員は20人。参加無料(要別途昼食代1,500円)。