山形の県生涯学習センター遊学館(山形市緑町1)で3月7日、文化財救済活動のパネル展「ふるさとの宝、いのちの証を未来へつなぐために」が始まった。
2008年に発足した市民団体「山形文化遺産防災ネットワーク」が主催する同イベント。東日本大震災から4年が過ぎようとしている今、当時の記憶を風化させないようにとの思いから文化財救済活動記録や震災後の様子をパネルで展示。14日には本年度の活動報告会を行うほか、今後の課題や文化財をどのように守っていくかを参加者とともに考える。
団体発足のきっかけは阪神淡路大震災だった。その後も、新潟県中越地震や宮城沖地震など、隣県での震災で多くの文化財が失われていく中、山形の文化財を災害から守りたいという思いで団体が結成された。日頃から古くなった文化財などの修復に当たっている同団体は、東日本大震災の復興支援で被災地を訪れ、国や県に指定されている文化遺産をはじめ、図書館の書物や個人所有の蔵などの修復・復旧に当たってきた。
同団体事務局の小林貴宏さんは「修復や保存に関して技術的に難しい分野ももちろんあるが、個人でできることもたくさんある。歴史や思い出が詰まった文化財を未来に残すために何ができるかを一緒に考えてほしい」と話す。東日本大震災では、個人で救済に当たった県内出身者もかなり多かったといい、「徐々に私たちの活動が浸透してきたということ。これからも活動の幅を広げていきたい」と力強く語る。
開館時間は9時~19時。月曜と15日休館。今月24日まで。