下駄(げた)を製作する「仙太郎下駄工房」(高畠町)が現在、春・夏の最盛期に向けて忙しい時期を迎えている。
代表の青柳昌男さんは大正時代から続く下駄屋の三代目。シューフィッターの資格を持ち、「足指の健康を第一に考えた」下駄を考案。初代当主の名前をとり「仙太郎下駄」と名付けた。
仙太郎下駄は足の形状に合わせ、つま先にかけてなだらかな傾斜をつけることで、歩く度に自然と足の指に力が入るという特徴がある。指の力を使って歩くことで、現代人に多いとされる「浮き指」、「外反母趾(ぼし)」、「がに股」などが改善されるという。先のとがった形状は、親指側を長く小指側を短くすることで鼻緒がずれないように考えられたもの。
サイズは、子ども用15センチから大人用30センチまで幅広く取りそろえる。底に切れ込みが入った「ぽっくり型」や角張った形の「七型」、長さを短くすることで丹田(下腹部)に力が入りシェイプアップ効果が期待できる「丹田型(たんでんがた)」など、客の悩みや好みに合ったさまざまな形状のものをそろえる。
下駄に使われる素材は軽くて通気性に優れた会津桐。色鮮やかなカラーが若い世代からも支持されている。日本人になじみ深い「くるみ」「桜」「若竹」などをイメージした12色のカラーバリエーションと、多彩な色柄の鼻緒で、無限の組み合わせが楽しめるという。
「仙太郎下駄をはいた皆さまが、足指の力をつけることで足から健康になってもらえれば」と青柳さん。工房では春からの最盛期に向け、しばらく忙しい日々が続きそうだ。