「花笠教室2020」が7月26日、西蔵王展望広場(山形市上桜田)で行われた。主催は民俗文化サークル「四方山会(よもやまかい)」。
1974(昭和49)年に民俗文化研究会として発足した同会。毎年8月に行われる「山形花笠まつり」をはじめとした県内外のイベントへの参加を中心に、学校での踊りの指導なども含め、年間で100回以上の活動を行っている。
花笠教室は、花笠踊りに興味がある人を対象に毎年5月に市内の公民館で開催しているが、今年の「山形花笠まつり」は新型コロナウイルスの影響で中止が決定しており、イベントの開催を見合わせていた。
結成当初から会長を務める河合克行さんは「何よりも社会の安寧(あんねい)が大切だから仕方ないが、私個人としては46年連続で参加してきたので、中止は複雑な思いもある。中止となったことで、花笠踊りに関心を持っている方が離れてしまうことを懸念している。祭りがなくなったわけではないので踊り続けたい」と話す。
当初は7月12日に1回目の花笠教室が行われる予定だったが、雨のために中止となり26日が今シーズン初の開催となった。イベントでは、農耕の姿を表現した通称「笠回し」と呼ばれる踊りの稽古が行われ、同会の会員を含め25人が参加した。
新型コロナウイルス対策として会場を屋外にしたほか、参加者の検温や手指の消毒を実施。熱中症のリスクを避けるために、マスクを外す場合はあるが、踊り手の間隔を空け、飛沫(ひまつ)感染予防のために掛け声は発声せずに踊った。
同会としても、オンラインでの稽古は行なってきたが、集まっての活動は1月以来。花笠教室終了後には、会員が衣装に着替え、インターネットなどで発信するための動画の撮影も行われた。踊りの指導を担当した丹野ふみさんは「目の前で参加者の踊りを見られて良かった。初めて踊る方や、久々に踊る方もいらして、良い機会になったと思う」と話す。
山形市から参加した丹野浩美さんは「約10年ぶりに踊ったが体重のかけ方などを忘れていると思った。新型コロナウイルスの影響で、自宅にいることが多いので、体を動かせ楽しかった」と笑顔を見せる。
花笠教室は8月以降も開催を予定している。