山形交響楽団が6月19日から、公式ユーチューブチャンネルで「こんなところで花笠(はながさ)音頭」の公開を開始した。
山形市内各地で「花笠音頭」を演奏しリレーする。第1弾は同楽団チェロ奏者の渡邊研多郎さんがビニールハウス内のサクランボ畑で、第2弾では首席ビオラ奏者の成田寛さんが市内のコンクリート打ち放しの建物内で披露したソロ演奏を公開した。
渡邊さんは「普段弾いている会場やホールとは違い、音の反響などはなかったが、木で作られた弦楽器が木々に囲まれているためか普段とは違う響きがあり不思議だった。農家の方々も演奏に耳を傾けてくださり、久々に生の音を聴いていただけることに喜びを感じた」と演奏を振り返る。
今後は、オーケストラで使用されている主な楽器を全て使い、約20カ所程度でソロ演奏を行うという。楽器は毎回変え、3日に1回程度のペースでアップする予定。
動画の公開は6月10日から山形市が行っているガバメントクラウドファンディング「山形市×山響 音楽でまちを元気に」の関連企画となる。
同楽団によると新型コロナウイルスの影響でこれまでに一般公演や小中学校を会場としたスクールコンサートなど約60公演が中止となり、総額1億円以上の収入損失が出ているという。寄付金は運営資金のほか、まちなかでの演奏会など市内の活性化につながる取り組みにも使われる。
寄付はふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」で受け付け、寄付額に応じて同楽団のCDや演奏会チケット、果物や山形牛などの返礼品を準備する。山形市民は返礼品を受け取ることができないが、1万円以上の賛同者にはオリジナルの礼状を送付する。
クラウドファンディングは目標金額7,500万円で、9月7日まで受け付ける。問い合わせは山形市役所文化振興課(TEL 023-641-1212)まで。