作家・劇作家の故井上ひさしさんとゆかりのある文学館など6館で催される企画展を回る「井上ひさし展2020スタンプラリー」が12月14日、スタートした。
井上さんの没後10年に合わせ、井上さんの著作権などを管理する井上事務所と遅筆堂文庫(東置賜郡川西町上小松)の主催で行われるイベント。同文庫は井上さんが中学3年までを過ごした川西町に、井上さんが蔵書7万冊を寄贈し開館した。現在は、開館後に寄贈されたものも合わせ22万冊を収蔵するほか、井上さんが晩年まで使っていたメガネや万年筆などを展示している。
スタンプラリーが行われるのは、遅筆堂文庫をはじめ、仙台文学館(宮城県仙台市)、吉野作造記念館(宮城県大崎市)、鎌倉文学館(神奈川県鎌倉市)、市川市文学ミュージアム(千葉県市川市)、世田谷文学館(東京都世田谷区)の6館。
遅筆堂文庫、仙台文学館、吉野作造記念館は12月14日~2020年12月27日の期間中、スタンプ押印が可能だが、鎌倉文学館=2020年4月18日~7月5日、市川市文学ミュージアム=2020年7月18日~9月6日、世田谷文学館=2020年10月10日~12月6日の企画展開催期間のみの実施となる。
遅筆堂文庫の遠藤敦子さんは「各館のある場所に住んでいた頃に書かれた作品や、舞台になっている作品に関する資料など、館に合わせた企画展を行う予定。各館を回り作家の足跡を巡ることで、空気に触れていただき、作品への理解をさらに深めるきっかけにしていただければ」と話す。
3館以上を回ると井上さんが特注した原稿用紙を、全6館を回ると井上さんがサイン代わりに書いていた「ひ」の字が入った手すき和紙の原稿用紙が送られる。問い合わせは遅筆堂文庫(TEL 0238-46-3311)まで。