東北芸術工科大学(山形市上桜田3)は、山形市の前明石地区にエコとアウトドアを融合させた住宅地「山形エコタウン前明石」を開発、分譲すると発表した。住宅地全体の風景をデザインし、分譲されるのは県内では初となる。
工務店の荒正(山形市成沢西1)、アウトドアブランドのスノーピーク(新潟県三条市中野原)との産学連携事業で、同大学は町の基本計画、エコ住宅の開発・デザイン、ランドスケープデザインを担当する。
通常の宅地区割りとは異なり、住宅との境界線には柵を作らずに緑道を通し、住宅地全体を一体的にデザインする。ランドスケープデザインを担当した、東北芸術工科大学の渡部桂准教授は、「(住戸ごとを明確に区切らないことで)共有の大きな庭のように見える。そこに緑道を通すことで、住民同士の新たなコミュニティーの形成が期待できる」と説明する。緑道には植物を植え、蔵王など周辺の山々の景観ともなじむようにデザインする。
住宅の構造材には、山形県産の金山杉を100%使用。トリプルサッシ、二重断熱で温熱性能が高くなっている。住宅デザインは、「吹き抜けのある家」「土間のある家」「デッキテラスのある家」の3つから選べ、各住宅のアウトドアリビングに合わせ、スノーピークのアウトドアグッズのパッケージが付く。
住宅地の開発面積は6620平方メートル。1区画の面積は210~258平方メートルで、20区画を販売する。住宅の価格帯は3,500円~3,800万円を予定している。