尾花沢市の市野々(いちのの)地区で7月31日、地域資源を生かしたピザ窯「山刀伐(なたぎり)ピザ窯」が披露された。
製作したのは、市野々地域おこしの会(会長=菅藤広一さん)のメンバーを中心とする10人。同会は2015年に尾花沢市が行った「お宝探し」行事で機運が高まり結成された。
同地域はかつて炭焼きが盛んで、最盛期の昭和30年代ごろには60戸あった家の8割ほどが炭焼きに携わり、それぞれに個人の炭窯を持っていたという。現在では、炭の需要の減少や若者の流出で地域は28戸となり、炭焼きを行う人もいなくなった。そうした中、炭焼きの技術を生かした地域の名物を作りたいという思いから、ピザ窯を製作することを決めたという。
製作は、以前炭焼きをしていた山口恵次さんの指導を受けて行った。レンガを粘土で覆ったドーム状の窯は、底が約80センチ四方、高さが約50センチで持ち運び可能になっている。同日、市野々公民館で関係者を招き完成披露が行われ、同窯で焼いたピザが振る舞われた。ピザの具、山菜、キノコと地元の野菜。中でも、ワラビの塩漬けをトッピングしたものとあんことカボチャをトッピングしたものが人気で、参加者からは「とてもおいしい」との声が上がっていた。
菅藤さんは「まずは地域の皆さんに楽しんでいただき、それからいろんなイベントに出掛けて、多くの方に市野々地区の伝統と地域の味を味わってもらいたい」と話す。
山刀伐窯に関する問い合わせは菅藤組(TEL 0237‐23-3632)まで。