東北芸術工科大学(山形市上桜田3)で現在、美術科テキスタイルコースの3年生9人による企画展「ペルソナ展」が開催されている。
同コースでは織物や布地などのテキスタイルを用いたデザインを中心に学んでいる。今回の企画展は、学生が2014年度に制作した課題を、課題作品と自由作品の2種類で展示。同展タイトルにあるように、「学生たちの自己(=ペルソナ)が表現される企画となっている。
課題作品は、柿渋で染色した布地をマネキンに巻きつけ衣服のように表現。柿渋染めは古くから用いられる染め方で、時間の経過と共に色味が強くなり丈夫な布地になるという特徴がある。展示されている作品は、学生それぞれ巻き方や染め方を変えることで個性を表現している。自由作品では、木材と布地で自分のありのままの姿を表現した作品や、自分の中に男らしさと女らしさが混在するもどかしさをオブジェで表現した作品などが展示されている。
27日には、自由作品について他学科の教授による品評会が行われた。教授による指摘を受け、自分の表現したいことと実際の伝わり方との違いなどを感じていた生徒の姿も見られた。工芸コースの深井総一郎教授は「自分がこう見てほしいという考えがあるなら、そう見てもらえるような仕掛けをつくらないといけない」などとアドバイスした。
美術科の矢口哲也副手は「テキスタイルは幅広い表現が可能な分野で、デザインの想像の原点のように感じる。自己を見つめ、それを作品に込めた学生の意思を感じられる企画展だと思う」と語った。
開催時間は9時~19時。入場無料。今月31日まで。