アウトドアショップ「DECEMBER」(山形市飯田2)内の小屋ギャラリーで3月20日~22日、「山の形展」が開催された。
ものづくりを通して山形の魅力を伝える「山の形」プロジェクトの一環。同プロジェクトは、上山市を拠点に家具のリペアなどものづくりに関わるワークショップを手掛けるデザイナーの須藤修さんと、建築デザインなどに携わる柴山修平さんが共同で企画し、昨年6月に始動した。
「ものづくりを通して山形という土地を浮き彫りにしていく」コンセプトから「山の形」と銘打ち、「日頃から空き時間があれば県内の職人の元を訪れ、暮らしの道具を作ってもらってきた」という須藤さんと柴山さんが、山形だからこそ生まれた物や、デザイナーが新たに手を加えるのではなく「山形らしさ」を引き出すことを重視した製品開発を行う。
「製品作りは、作り手との関係作りからはじまる」と須藤さん。たまたま街で目にした活版印刷所を訪れ、他愛も無い話から共同でプロジェクトのロゴマークを作るまでに至ったという。「作り手との出会いの先に、2人の自然体で無理の無いものづくりのスタイルがある」と話す。
同展では、ロゴマークを手掛けた「伊藤活版所」をはじめ、刺し子のお守りを作る「艸絲+吉田勝信」、麻じゅうたんの「穂積繊維工業」、くだものナイフの「島田打刃物製作所」、藤製品の「つるや商店」、紅花灰釉の器の「深山工房つち団子(金田利之)」、ワラ・アケビ製品の「高橋伸一」、桐製品の「よしだ」、川色の器の「ぷろぺら商店」、ニット製品の「編み屋」、イラストレーターの「伊藤眸」の全11組とのコラボ製品を展示。すでに製品として試験販売を行っている物や、現在開発中の製品のプロトタイプを並べた。
今秋には首都圏で開くバイヤー向けの商談会へ出品する予定で、本格的な製品化へ向けた調整も進んでいる。須藤さんは「1年目は出会いと開発、足場作りの期間だった。ここからは展示会に向けて現在開発中の製品も詰めていく。ものづくりのありよう自体が、山形の特長だと思っている。山形だからできた『形』を探り、ものを通して山形の魅力を広めていきたい」と意気込む。
須藤さんと柴山さんは、同展を皮切りに、「山形の形を作り手と共に探る」プロジェクトから「山形の形を発信する」という次のステップへ向け新たな一歩を踏み出すという。