山形県工業技術センター(山形市松栄2)で現在、連携支援室のデザイングループが取り組むデザイン・ものづくり関連の事業から、さまざまな製品が誕生している。
11月に東京ビッグサイトで開催されたインテリアの国際見本市には、国の伝統的工芸品に指定されている「山形仏壇」の飾り彫刻をアレンジした「ブローチ」や、日本一の生産量を誇る米沢市の「独楽(コマ)」に愛らしいデザインを施した「飾りコマ」など、同グループのデザイン事業から生まれた「やまがたのデザイン」が並んだ。
県内の優れた製品を選定し顕彰する「山形エクセレントデザイン」を主催する同グループは、受賞者向けの「ブラッシュアップスクール」や、デザイナーと企業をマッチングさせる「デザ縁」など、さまざまな事業を通し企業の製品開発支援を行っている。
同グループの月本久美子研究員は「最近は下請けからの脱却を目指すケースが増えている。どこにでもできるものづくりで単なる価格競争にはしたくないが、製品開発の進め方が分からないという企業や、『デザイン』という考えに結びつかない企業の支援をしている」と話す。製品開発では「企業から引き出す」ことを重要視しているという。
見本市のブースには、全国から多くのバイヤーが訪れ、雑貨店や百貨店などからの引き合いがあったという。「参加した企業も手応えを感じていた」と月本さん。「当センターの取り組みが広まり、デザインの考え方に対する『気づき』が増えてくれるとうれしい」と笑顔を見せる。
同センターでは現在、商品開発支援などについての相談を随時受け付けている。問い合わせは同センター企画調整室連携支援室(TEL 023-644-3222)まで。