
長井市在住の折紙作家・孫田勝弘さんが考案した「連続紙箱作成具」が8月19日、特許を取得した。
「連続紙箱作成具」は、一辺が2センチから6センチの小さな木のブロック「小炉具(ころぐ)」を使い、1枚の紙から連続してつながる「住分箱(すみわけばこ)」を作成する技術。
孫田さんによると、7年ほど前に務めていたメッキ加工会社で細かい部品を整理するために紙で作った小箱が発想の原点という。「うたた寝をしているとき、夢の中で不意に連続する箱のアイデアが降りてきた」と孫田さん。
はじめは定規で引いた線をガイドラインにして紙を折っていたが、「もっと楽な方法はないか」と考え、「小炉具」を編み出した。小炉具を紙に当て、倒しながら折り、最後に広げていくと、連続した箱が現れる。孫田さんは「初めて見た人には『マジックのようだ』と言われる」と目を細める。
孫田さんは現在、県内各所で開催しているマルシェなどにも積極的に参加し、ワークショップを通じて同技術を広める活動を行っているほか、昨年7月には書籍「実用折紙」を自費出版した。「はじめは怪しい目で見られるが、やってみると笑いに変わる。この瞬間がたまらない」とも。
このほか、1枚の紙からアルファベットや数字のオブジェを作り出す独自の技術も編み出し、現在は記号や漢字、ひらがなにも挑戦しているという。孫田さんは「この技術をたくさんの人に使ってもらえるとうれしい。学校教育などにも役立ててもらえれば」と期待を寄せる。