山形市に12月19日、抜刀術の道場「阿部派一刀流」(山形市あこや町1、TEL 023-625-0107)が開場した。
山形市出身の抜刀道家、阿部吉宏さんが道場主を務める。子どもの頃から時代劇が好きだったという阿部さんは、木刀を使い見よう見まねで練習を始めたという。27歳で神奈川県の抜刀道家に弟子入りし、29歳の時に「土壇(どた)切り」の部の全日本チャンピオンになった。
都内でのインターネット番組の出演や、イベントでのパフォーマンスの仕事も増え、山形に拠点となる道場を構えることを決意。道場開きに至った。「剣心一如」を理念に掲げ、剣の修行を通した心の修練を目指す。
道路沿いには、真剣で畳表を切る阿部さんが印象的な看板を掲げているが、初心者の稽古は主に木刀や、真剣と同じ重さで柔らかい素材の「撃剣竹刀」を使った型や作法の指導がメーンとなる。真剣を持つまでには15時間以上の竹刀稽古が必要となる。
阿部さんは「畳表切りはあくまでもデモンストレーション。稽古では、実際の剣豪達が使っていた技を検証しながら、型の意味を教えていく」と話す。
服装は自由で、靴下を脱いで道場に入る。朝活としても取り入れられるように、開店は6時30分を設定している。同道場では現在練習生を募集しているほか、無料体験や、見学も随時受け付けている。対象は竹刀を振れる体力のある人。
今後は山形を訪れた外国人向けの、「抜刀」と「観光」を組み合わせた「サムライツアー」などの展開も考えているという。阿部さんは「抜刀が文化として、山形に根付いてくれれば」と期待を込める。
営業時間は、6時30分~11時30分、16時~21時。21時~23時は要予約。