山形で理系人材の育成を目指す教育プログラム「ヤマガタステム(STEM)アカデミー:の第1回目講義が6月12日、山形大学で行われた。
STEMは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字を取った語。STEM では、4つの分野を統合的に学ぶことが現代社会で直面するさまざまな問題を解決するために重要と考えられている。
ヤマガタステムは、SDGsで継続する社会を学びながら科学技術を理解し、人類の未来に役立つ産業を生み出すとともに想像力豊かな理系人材の育成を県内でも目指そうという教育プログラム。今回のアカデミーに参加するのは県内の小学校5年生から中学生までの40人で、事前の作文と面接を受けて選抜された。
講義に先駆けて5月30日に行われた開講式で山形大学の玉手英利学長は「さまざまな体験をして、未来の科学者になったり技術者になったり新しい発明や発見をする人がたくさん出てくることを期待します。このプログラムを力一杯楽しんでください」と受講生にエールを送った。
当日のの講義では、「SDGsってなんだろう?」という題で、4種類のプラスチック素材(PE、PP、PET、PS)を液体(水、食塩水、エタノール)に入れ、素材が浮くか沈むかで分別を行う実験や、「SDGsに関する問題を科学で解決するには?」という視点を中心にSDGsの概要を学んだ。
受講生は今後、半年間かけて、電池作りの実験やプログラミング、ビッグデータ分析の体験など大学で行う講座に加え、県民の森でのフィールドワークなど、県内のさまざまな場所での活動を行う。来年3月には、学習の成果をプレゼンテーションする機会も設ける。2022年度には受講生から選抜された10人が第2段階(ドクターコース)へと進み、自分の興味がある研究テーマについて研究していく。
指導する山形大学の栗山恭直教授は「今年は、対面での講義が増えると思う。仲間といっしょに科学を学んで意見交換をし学び合ってほしい」と話す。