劇団「カルミア」が5月29日、旗揚げ公演「ほころび」の配信を始める。
山形県立山形西高校の卒業生4人を中心に2019(平成31)年3月に結成した同劇団。代表のどんさんは「山形には長年活躍されている老舗の劇団が多い。若者が主体になる劇団を増やし、もっと盛り上げていきたいと考え立ち上げた」と経緯を話す。劇団名は「希望」を花言葉に持つ花・カルミアから付け、「山形の人々に演劇を通して笑顔と大きな希望を届けたい」という思いを込めた。
結成後、約1年をかけて旗揚げ公演に向け準備を進め、昨年3月に山形市民会館小ホールで「フランダースの負け犬」を上演する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で中止となった。どんさんは「稽古を重ね、あとは本番当日を迎えるだけだったので悔しかった。諦めなくてはいけない状況に憤りを感じたが、悔しさをばねに活動を続けてきた」と振り返る。
今回、配信で上演するのはメンバーが脚本を担当したオリジナル作品。夢をかなえ作家となった主人公の前に、夢を諦めた別の世界線の主人公が現れ、2人でそれぞれが選んできた道を振り返る「正解」と、自分の将来に悩みながら就職活動をする大学生の主人公が、突如現れた「夢ばあ」や友人らと共に夢を見つけていく「夢ばあの贈り物」の2編からなるオムニバス。3月下旬に山形市民会館小ホールで無観客収録した内容を編集し配信する。
どんさんは「コロナ禍だからと、いろいろなことを諦めることも多いかもしれないが、自分たちの公演を見て、少しでも前向きになっていただくきっかけになれば。観劇いただく皆さんの背中を押し、感謝も伝えていきたい」と話す。現在のメンバーは7人で、性別や演劇経験を問わず団員も募集している。
視聴チケットは500円。電子チケット販売サービス「teket(テケト)」のホームページで5月22日13時から販売する。配信は5月29日17時~6月26日23時59分。問い合わせは劇団「カルミア」のホームページまで。