山形市と天童市を流れる立谷川の河畔で現在、芝桜が満開の見頃を迎えている。
場所は大森トンネル近くの大森赤石橋付近。以前は不法投棄のゴミなどが散乱していたが、2006(平成18)年から、当時天童市在住の田所三男さんが一人で整備し、5年後には河原一面に芝桜を咲かせた。2012(平成24)年からは、田所さんに賛同する地元有志22人でボランティア団体「立谷川の花さかじいさん」を立ち上げ、整備活動に取り組んでいる。
田所さんは2013(平成25)年に亡くなったが、現在は43人の会員が「山形を花の桃源郷に!」の合言葉の下、田所さんの遺志を継ぎ活動を継続している。約1万平方メートルに約3万株の芝桜が咲き、新型コロナウイルスの影響がなかった一昨年は約6万人の見物客が訪れる観光地となった。
山形市から友人と訪れたという20代男性は「SNSで見頃と知って立ち寄った。今日は見応えのある芝桜が見られてうれしい。一人の活動が、ここまで広がったのは素晴らしいこと」と話す。芝桜をカメラで撮影していた河北町在住の20代女性は「知り合いに聞いて、初めて訪れた。とてもきれいで癒やされる風景。青空と芝桜のコントラストを写真に収めたい」と笑顔を見せる。