山形県の市町村を、地図をもとに解説する書籍「地図でみる山形 市街地に刻まれた出羽の歴史」が3月15日、出版された。
「地図でみる山形」と、シリーズ第1弾の「地図でみる京都」(岩田貢・山脇正資 著)
山形大学の山田浩久教授らが執筆。地理学関連の専門書などを手掛ける海青社(滋賀県大津市)が出版した。同書は2019(平成31)年1月に出版された「地図でみる京都」に続き、都道府県別ではシリーズ第2弾となる。
海青社の宮内久社長は「これまでに、同様のコンセプトで東日本や西日本、城下町などにスポットを当てた本を出版してきたが、地方は未開拓な部分も多かった。知られていないところがたくさんあるのではないかと需要も感じており、山田教授に山形版の執筆を打診したところ引き受けていただき出版に至った」と経緯を説明する。
同書では、県内の旧町村を含めた44市町村ごとに見開き2ページで紹介。右ページに各市町村の市役所や町役場などを中心とした市街地の地図を掲載し、左ページでその地図から読み取れる歴史や文化などを解説している。地図は国土交通省国土地理院が提供する2万5000分の1地形図の最新データを使用した。山田教授は本の執筆に当たり、各市町村を再調査し、ポイントとなるスポットの撮影や取材を進めたという。
山田教授は「市街地の地形図から、山形の豊かな自然の中で住民がどのようにまちをつくり活動してきたかを読み取り紹介している。気軽に読める文章量になっているので、観光情報誌のような使い方で、本を片手に街歩きをしていただき、まちをより深く理解するきっかけになれば。中高生でも理解できる内容になっているので、幅広い年代の方に手に取っていただきたい」と話す。
B5変形判、全82ページ。価格は1,800円(税抜)。山形県内をはじめ全国の書店で購入できるほか、海青社のホームページなどではオールカラーの電子版も発売している。