2018(平成30)年に左足が見つかった山形大学付属博物館(山形市小白川町1)所蔵の結髪(けっぱつ)土偶が修復を終え、10月1日から一般公開される。
髪を結ったような形をした頭部で、女性を連想させる姿が特徴的な結髪土偶。修復作業が完了した結髪土偶は、石田遺跡(寒河江市)で大正時代末期に出土したと考えられている。
出土した当初は、上半身と左足を寒河江市の地主・安達家が所蔵していたが、上半身は県の郷土博物館などを経て、同館の前身となる山形師範学校の郷土室に移り、左足は安達家で保管した後、2015(平成27)年に寒河江市に寄贈された。
寒河江市に寄贈された左足を見た郡山女子大学短期大学部・會田容弘教授の指摘により、同館所蔵の土偶の一部であることが判明。上半身は左足と接地する背中側が石こうで復元されていたため、石こうを除去し左足を接合するための資金調達でクラウドファンディングを行ったところ、目標金額160万円を大きく上回る269万5,000円を集め、2019年10月から元興寺文化財研究所で約10カ月をかけて修復した。
学芸員の押野美雪さんは「右足はないが、左足を結合したことで全体像のイメージを補完できるようになった。修復前の姿とは印象が変わったが、立ち上がった姿をいろんな角度で見て楽しんでいただきたい。新しい結髪土偶も長く愛されてほしい」と話す。
同館は新型コロナウイルスの影響で9月まで臨時休館しているが、10月1日より開館する。結髪土偶の公開は事前予約制。11月には公開講座「結髪土偶立ち上がる!」の開催を予定している。
開館時間は9時30分~17時。土曜・日曜・祝日休館。入場無料。予約・問い合わせは同館(TEL 023-628-4930)まで。