県内の老舗企業3社が連携し、和ダンスや着物、布団の利活用などを支援する「和~美っくり!」が9月19日、スタートする。
同サービスに取り組むのは、1907(明治30)年創業の「石沢布団店」(東村山郡山辺町)、1968(昭和43)年創業の「家具のヤマヒョウ」(山形市)、1647年創業の「布施弥七京染店」(山形市)の3社。それぞれが独自で展開していた古い着物や和ダンスの利活用や適切な処分を提案するサービスを連携する。
「家具のヤマヒョウ」の井上英俊社長は「和ダンスの利活用に関する相談を受ける中で、タンスの中に眠っている着物に関する相談も数多くあった。山形市売上増進支援センター『Y-biz(ワイビズ)』の助言を受け、お客さまの解決策を充実させることを目的に、ノウハウのある布施弥七京染店と連携することになった」と話す。
「石沢布団店」の石沢友啓社長は「一方で、当社と布施弥七京染店の連携も模索しY-bizに相談をしていた。当初は2社の技術を組み合わせた新商品の企画販売を考えていたが、それぞれが個別に行っていた着物や布団の再生サービスを、顧客の利便性を高めるために連携することになった」と続ける。
相談者は、いずれかの会社にサービスを依頼し、各社は基本的なサービスの内容を説明するとともに、自社以外で取り扱う内容については他社に引き継ぐ。それぞれのサービスについての相談は無料で、再生利活用メニューは、和ダンスの原寸再生=18万円~、布団の仕立て直し=8,500円~、着物丸洗い=6,000円~など有料となる。
布施弥七京染店の布施将英専務は「3世代同居が減る中、和のモノを整理、活用する人が家庭内にいなくなっているのではないか。サービスのスタート日はお彼岸。ご先祖さまが大切にしていたものに新たな息を吹き込むことに意義を感じている」と意気込む。