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山形・上山市で奇習「加勢鳥」 奇声あげ、市内を跳ね回る

観客から水をかけられる加勢鳥

観客から水をかけられる加勢鳥

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 上山市の民俗行事「加勢鳥(かせどり)」が2月11日、市内中心部で行われた。

上山城前で演舞を披露する様子

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 「加勢鳥」は江戸時代初期から伝わる民俗行事で、「ケンダイ」というみのをかぶった若者が町中を練り歩く。「稼ぎ鳥」が語源とされ、観客は手おけから加勢鳥に祝いの水をかけ、五穀豊穣(ほうじょう)や商売繁盛などを願う。1896(明治29)年に一度廃止されたが、1959(昭和34)年に復活した。

 加勢鳥に扮(ふん)したのは初参加16人を含む34人で、上山市のほか山形市、宮城県、東京都、ポーランド、アイルランドなどから公募などで集まった。出発前には参加者を代表し木村菖一郎さんが「上山の繁栄を願い、蔵王おろしの寒波や酒の誘惑に負けず、冷たい水をものともせず、わらじが切れるまで力いっぱい飛び跳ねることを誓います」と宣誓。参加者らは上山城前で演舞を披露した後、加勢鳥行列に出発した。

 行列では加勢鳥が観客らから水をかけられながら「カッカッカー」と叫び跳ね回った。山形市から訪れた後藤さん一家は「加勢鳥が寒そうだったが、かっこよく迫力があった。抜け落ちたわらで女の子の髪を結うと黒髪の豊かな美人になると言われているので、娘の髪を結ってあげたい」と話す。

 かみのやま温泉駅前では同市商工会青年部が、わらをイメージしたごぼうや鳥だんごをのせた「カセ鳥そば」と「カセ鳥うどん」を販売した。青年部部長の高橋利洋さんは「これまでは鍋料理を提供していたが、今年初めてそばとうどんを販売した。販売開始から一時間で完売し、好評でうれしい」と話す。

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