山形大学理学部の学生が、水の流れのシミュレーションができる装置を活用し、子ども向けに川の流れや防災を学ぶデモンストレーション方法を開発した。
開発に取り組んでいるのは、実践的な教育力を身に付けた人材育成を目的とするサイエンスコミュニケータープログラムを履修している3年生の6人。川の成り立ち、川の氾濫やダムの決壊による水害発生のメカニズムなどを、デモンストレーションを通して子どもたちに教える。
デモンストレーションには、大きさの異なるプラスチック粒子を土砂に見立て川を再現することができる、アメリカのリトルリバー・リサーチ&デザイン社の「エムリバージオモデル」を使う。
同社の日本代理店リトルリバー・リサーチ&デザイン ジャパンの松本明代代表は「現在、東北には1台しかない貴重な装置。プラスチックで作った人工砂は、少ない水量で短時間に河川の成り立ちを再現できる。粒子が色分けされていて、土砂の流れや層も分かりやすい」と話す。
報道陣向けに公開されたデモンストレーションで学生らは、砂防ダムの決壊や、扇状地が形成されていく様子を再現。形成された地形を山形市内に見立て、実在する地名や公共施設の位置に例えて説明を行った。理学部3年の後藤颯さんは「川の成り立ちの過程をわかりやすく知ることができると思う。本番では、ワークシートも配布し防災について考えてもらう予定。川の怖さについても、改めて知っていただく機会になれば」と話す。
デモンストレーションは、7月14日に東北大学川内北キャンパス(宮城県仙台市青葉区川内)で行われる「学都『仙台・宮城』サイエンス・デイ2019」と、7月28日に霞城セントラル(山形市城南町1)で行われる「2019青少年のための科学の祭典in山形」での披露を予定している。