「第36回耳の日記念集会」が3月3日、シェルターなんようホール(南陽市三間通)で行われた。主催は一般社団法人山形県聴覚障害者協会、山形県手話通訳問題研究会、山形県手話サークル連絡協議会の3団体。
同集会は、聴覚障がい者の福祉および文化の向上や、交流を深めることなどを目的に1984(昭和59)年より行われている。今年は県内各地から聴覚障がい者、手話関係者ら197人が集まった。
午前には、昨年6月まで宇宙航空研究開発機構(JAXA)に勤め、介護福祉士や潜水士などの資格を持つ、聴覚障がい者の春日晴樹さんによる記念講演が行われた。
講演の前半は、元JAXA職員としての知識を生かし宇宙やロケットについてクイズを交えながら手話で説明し、春日さんが職員の時に作ったという宇宙に関する単語の手話表現の解説などを行った。後半は春日さんがこれまでに経験してきた日本放浪や世界一周を通して学んだことを話した。
春日さんは講演の中で、「他の人から自分が生かされるのではなく、自分で自分を生かそうと行動すること。『聞こえないから無理』ではなく、自分ができることを周囲にアピールしていくことが大切だと思う」と話した。
午後からは、南陽市出身で一般社団法人山形バリアフリー観光ツアーセンター代表理事を務める加藤健一さんによる講演が行われた。