米沢で100年以上続く機屋の母屋(米沢市花沢町1)を民泊用に修繕するプロジェクトが現在、進められている。
発起人は、この機屋で生まれ育った植松美穂さん。海外に留学し東京で働いた後、Uターンし、現在はカフェ「Daizycafe(デイジーカフェ)」を経営している。現在、両親が暮らしている実家を民泊できるように修繕し、地元・米沢の風習、文化を残し、人や物が交流できる場にしたいと思いプロジェクトを立ち上げた。
以前は4世代が暮らしていた母屋は広く、日本庭園、畑もある。築60年以上の母屋の間取りを生かし、民泊のできる状態に修繕する。大がかりなリフォームではなく、60年前の趣を残したままゲストが使いやすいようにシャワーブースとキッチンを増設するという。
現在、クラウドファンディングで資金を募っている。修繕には、地元工業高校の建築科の生徒たちが授業の一環として、柱のクリーニング、木製建具・日本庭園の再生、障子の張り直しなどを担当することも決まっている。
植松さんは35歳の時に、子宮頸(けい)がんと妊娠が同時に判明。生死を分ける出来事を経て、「前向きに懸命に生きる」ことがテーマになったという。今は「少子高齢化や空き家の問題」の解決に注力したいと考えているという。
「民泊事業はもちろんだが、地元の人によるお料理教室や茶室などの貸し出し、野菜の販売といった、人や物の交流のある場をつくり上げていきたい」と話す。
クラウドファンディングのプロジェクト期限は6月29日。目標額は100万円。問い合わせは「Daizycafe」(TEL 0238-22-3222)まで。