山形市内で10月5日から、「山形国際ドキュメンタリー映画祭」が開催される。
アジア初の国際ドキュメンタリー映画祭として、1989年から隔年で開かれている同映画祭は今年で15回目を迎える。市内のさまざまな場所で映画の上映のほかワークショップなど多彩なイベントが行われる。
メインの企画となるインターナショナル・コンペティション部門には121の国と地域から1146本の応募があり、10人の審査員がおよそ半年かけて選んだ15作品が上映される。
同映画祭事務局の黄木優寿さんは入選作品の特徴として、フレデリック・ワイズマンさん、ジョン・ジャンヴィトさん、ラウール・ペックさん、原一男さんなど、日本、アメリカ、中米の著名なベテラン作家が選ばれた一方、30歳前後の若手作家による洗練された映像美や作家としての立場を追求した意欲作が並んでいることを挙げる。15本のうち4作品がアジア作家によるもの(日本、インド、中国)で、日本人監督が2人選出されるのは1997年以来、20年ぶりという。
長期にわたって取材した長尺の映画が多いのも今回の特徴という。「上映時間が3時間以上の作品が15作品中4本で、そのうち3本がベテラン監督によるもの。時間をかけて対象と向き合い、調査し、まとめ上げた揺るぎない真摯(しんし)な姿勢と作品の完成度が評価された」と黄木さん。「長尺の作品がコンペティションのラインアップに4本も入るのは世界の映画祭の中でも珍しく、劇場公開に向け短尺化が好まれる世界の映画業界の中で、商業性にこだわらず、見応えのある優れた作品を紹介し続けている本映画祭独自の姿勢が色濃く出ている」と話す。
「難しい題材のものが多いが、ドキュメンタリー映画に興味のある人もない人も、ぜひ参加していろいろなことを感じてほしい」と呼び掛ける。
料金はプログラムにより異なる。