山形市落合にある里芋畑に、巨大な地上絵が現れた。
地上絵の大きさは50メートル×80メートルに及び、上空から見るとナスカの地上絵にあるハチドリと酷似。地上絵を作ったのは、さとう農園(山形市下柳)。
社長の佐藤卓弥さんは都内でシステムエンジニアをしていたが、2000年に実家に戻り、家業である里芋の加工販売業を手伝うことに。山形の秋の風物詩「芋煮会」のメイン食材としても知られる里芋について、当初消費量も生産量も全国有数だと推測していた佐藤さん。調べてみると消費量は全国的にみると中盤だったという。自社で生産も手掛けることを決意し、2009年より栽培を開始。30アールと小さい畑からだったが、現在では360アールの広さになった。
「栽培は素人だったのでなかなか農地を貸していただけなかったが、地道に栽培を続けているうちに、隣地の方からも認めてもらい徐々に増えていった」と話す。
もっと山形の里芋を多くの人に知ってもらおうと、話題づくりのために2010年から、里芋を栽培する黒マルチ(黒いビニール)の畝(うね)で「うずまき」の制作を開始した。今年は、「山形の里芋を世界に発信」を目標に、ナスカの地上絵のハチドリをモチーフに制作した。地元の山形大学には、ナスカの地上絵の研究で世界の第一人者、坂井正人教授が教鞭をとっていることから、将来はコラボ企画をとの思いも込めた。
佐藤さんは「今年は、まだこのハチドリ1つだが、来年以降は里芋畑に限らず、さまざまな作物を育てる農家さんが、山形のあちこちの農地で地上絵を製作し、それが見学コースとなり、そこで作られた作物を食べることができるといった、一つの観光資源としても成長できれば」と展望を話す。