調理師を目指す高校生が地域の食材を使って料理をすることで「食育」につなげようという試み「うめぜ!庄内のごっつお教室2014」が10月3日、山形学院高校(山形市香澄町3)で行われた。
高校生が挑戦したハタハタの「刺身」「天ぷら」「湯上げ」の3品。
今年で3年目となる同企画は同校調理科の2年生を対象に行われ、参加者は114人。地魚のおいしさや食文化を伝えるため2007年に発足した、庄内の飲食業や市場関係者などでつくる「庄内浜文化伝道師」の6人を講師に迎え、この時期に脂がのりおいしい「ハタハタ」を題材に調理実習を行った。
生徒は3~4人の班に分かれ、ハタハタの「刺身」「天ぷら」「湯上げ」の3種の料理を作った。同校教諭の菊池智子さんは「一つの食材でいろいろな調理ができることを知ってほしい。料理や魚に携わっている外部講師の方を迎えることで、料理のことだけでなく庄内浜の現状や商売のことまでリアルな現場の話が聞ければ」と期待を寄せる。
普段から調理実習に慣れている調理科の生徒たちも、頭付ききの魚をさばく経験は少ない。苦戦しながらも班ごとに協力しながら、時には講師に指導を仰ぎ笑顔で取り組む姿が見られた。
講師の一人で加茂水族館の料理長を務める須田剛史さんは「地元山形の魚のことをもっと知ってもらい大人になったら庄内のことをまた思い出してもらいたい。今回の実習が生徒たちの記憶に少しでも残ってくれれば」と話す。実習の最後には、生徒たちが自分で作った料理を試食し、地魚のおいしさと達成感をかみしめていた。