山形市の山寺芭蕉記念館(山形市大字山寺)で現在、企画展「スサノヲの到来-いのち、いかり、いのり」が開催されている。
文学をひもとくとき、人と自然の関係の象徴として度々登場する「スサノヲ」。同展は東日本大震災をきっかけに、人間はどのように生きていくべきかを、スサノヲの多面性を基に見つめ直すために、同館と栃木県足利市立美術館、千葉・DIC川村記念美術館、北海道立函館美術館、渋谷区立松濤美術館が共同で企画した。2014年美術館連絡協議会大賞を受賞し、それを記念して各美術館を巡回している。
今回は、文学史に残されるスサノヲの貴重な資料や、松尾芭蕉とスサノヲとのつながりを紹介。特に、スサノヲが漂泊をしながら和歌を詠んだという神話に基づき、スサノヲが松尾芭蕉の俳諧に影響を与えている展示が見どころとなっている。6月14日と7月5日の14時からは、学芸員による展示解説も行う。同館担当者は「普段はなかなか見られない貴重な資料が数多く展示されている。スサノヲと向き合うことで、現代文学や人間の生き方について考え直す機会にしていただければ」と語る。
開催時間は9時~17時。入館料は大人400円、高校生以下無料。7月5日まで。