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山形で「東北オフサイトミーティング」 まちづくりの勉強会

これからの地方のあり方について講演した樋渡啓祐元武雄市長

これからの地方のあり方について講演した樋渡啓祐元武雄市長

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 山形市の県生涯学習センター遊学館(山形市緑町1)で5月9日、「東北オフサイトミーティング」が開かれた。

参加者の様子

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 2009年に始まった同勉強会は今回で20回目。同市役所の後藤好邦さんが、大阪で行われたまちづくりの勉強会に参加した際、近場で自分も開催しようと思ったのがきっかけで始まった。第1回の同市を皮切りに、東北各地の自治体職員などと協力して開催を継続しており、現在では3~4カ月のペースで開いている。

 20回目となる今回は同県の4つの自治体職員や議員と、佐賀県武雄市元市長の樋渡啓祐さんの5人をゲストスピーカーに招いた。全国から公務員や会社員、学生など、これまでの最大となる約300人が参加した。

 会の前半は、同県の4つの事例を基にまちづくりについて考えた。山辺町議員の庄司雄介さんは、山辺町を盛り上げるラジオ番組「のべラジ」を紹介。庄司さんは「伝えることが伝わるになるよう、まだまだ頑張っていく」と語った。酒田市職員の松永隆さんは市役所内の業務改善をテーマに事例を報告。業務改善とは「行革」ではなく「人づくり」であるとし、「人材育成で市役所を変えることで、市民の皆さまに『市役所変わったよね』と言われることが目標」と語った。最上総合支庁職員の坂本健太郎さんは「とりもつバーガー」開発によるまちおこしを報告。「食文化でまちづくりができる。とりもつバーガーを含めた最上のご当地グルメで、地域の笑顔をつくっていきたい」と坂本さん。米沢市職員の相田隆行さんは学生とのつながり、若い力を地域に還元することがまちづくりにつながるとした。「行政と学生が連携し、企業や団体との小さなつながりを丁寧に広げていくことで市全体が盛り上がっていく」と話した。

 会の後半は、樋渡元武雄市長が講演をが行った。市長時代に行った市立病院の民間移譲やSNSによる情報発信、市立図書館の指定管理者制度導入や全面改装などを基に、これからの地方に大切なことを話した。「一番伝えたいことは、一人一人のストーリーの集まりはヒストリーになるということ。行政や企業などさまざまな人が同じことを共有することで大きな歴史となる」と語った。

 主催した後藤さんは「山形の魅力を全国の皆さんに知ってほしくて山形で開催させていただいた。こうした勉強会が全国的にも広がっており、他の地域とも連携を深めることで東北や山形の盛り上げの一端となれれば」と意気込んだ。参加者の一人で学生の村山旬さんは「自分の地域のために自治体を内部から変えていこうとしてきた方々の話を聞き、自分には何が出来るかをできるかを考えていこうと思った。地域のつながりをもっともっと大切にしていこうと実感した」と振り返った。

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