直径25ミリのガラスの筒の中に特殊な方法でドライ加工を施した生の草花を入れたインテリア商品「lien(リアン)」が注目を集めている。身近に自生している草花の自然な美しさをそのまま部屋の中でも楽しむことができるもので、サンカ(山形市西田3)が新たに商品化した。
同社では長年、ドライフラワーを花束のように華やかにアレンジし、ガラスケースに入れた「ボトルフラワー」の製造を得意とし、デパートや百貨店向けの商品を製造してきた。エレガントな雰囲気の観賞用インテリアとして主に40~50代の女性に根強い人気があったものの、「将来のことを考えると、この商品だけでいいのだろうか」という危機感を抱いていた」と振り返る社長の後藤由美子さん。2011年に山形県工業技術センターを訪れ、担当職員の大場さん、月本さんと共に新しい商品の開発に乗り出すことになった。
経営資源の棚卸し、ターゲットの設定、ニーズの発想、アイデア展開、試作といった段階を経て、若い女性をターゲットにした新商品が完成した。それまでのボトルフラワーのような装飾を一切無くしたシンプルなデザインで、「自然な草花のたたずまいが際立つ」仕上がりになった。商品だけでなく、パッケージデザインや細部にまでこだわった開発は約2年の時間を要した。
2013年11月には、東京ビッグサイトで開催された展示会「IFFT/インテリアライフスタイルリビング」に出品し、各地から集まったバイヤーへアピール。予想を上回る反響があり、雑貨店やネットショップ、大手日用品店など、これまでとはジャンルの異なる取引先が増えたという。「じっくりと時間をかけて開発したかいがあった。販路だけでなく、今まで気付いていなかったボトルフラワーの可能性に気付けた気がする」と後藤さん。
価格は3,240円。山形県内では「山形デザインハウス」(山形市七日町2)で販売するほか、ウェブショップ「STYLE STORE」でも扱う。