プレスリリース

カンボジア難民キャンプで「万博」──なかよし学園の国際グローバル授業「なかよし万博」を実施

リリース発行企業:特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト

情報提供:

 特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト(代表:中村雄一/千葉県松戸市)は、山形県遊佐町立遊佐中学校の生徒が主体となって集めたノート・文房具等を、カンボジアの難民支援活動において手渡しで届ける取り組みを実施しました。
 本取り組みの現地実施に合わせ、なかよし学園は、大阪・関西万博(EXPO 2025)をモチーフにした国際グローバル授業「なかよし万博」を、戦地・難民キャンプの子どもたちに向けて実施。万博グッズ(ミャクミャク等)を教材化し、「世界」について食・遊び・文化・言語を体験的に学ぶ授業を行いました。

カンボジア・アンロンベンで「ミャクミャク」を受け取る子ども

背景:なぜ難民キャンプで「世界」の授業が必要なのか
 避難生活の現場では、衣食住に加えて、子どもたちが未来を描くための「学び」や「好奇心の回復」が失われやすいのが現実です。なかよし学園は、アジア・アフリカの子どもたちに対し、“世界を知る授業”を通じて希望の回路をつくる教育支援を継続してきました。
 今回の授業では、日本で開催された世界的イベントである大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日)を題材にし、「世界には、まだ見たことのない面白さがある」という感覚を、難民キャンプの子どもたちに“体験”として届けることを狙いました。

クメール語で書かれた教科書で「世界」を学ぶ

日本の「蕎麦茶」を体験

団扇でカンボジアの凉を取る

世界の「お茶」を飲む異文化体験

実施概要:「なかよし万博」-万博グッズを“教材”に変える
実施地:カンボジア(戦地アンロンベン・シェムリアップ州避難民コミュニティ/難民キャンプ等)

難民の子どもたちへの授業

シェムリアップ州での授業

難民キャンプでの地雷啓発授業

実施内容:「世界」の導入授業(地図・国旗・言語・文化の多様性)
・食・遊び・文化を切り口にしたミニ体験(“世界の入口”づくり)
・万博グッズの提示と対話(ミャクミャク等)
・参加児童へのプレゼント(フェイスシール等)
・連動支援:遊佐中学校の文房具・ノート手渡し支援(Only oneノート)

広島神石高原の小学生が作成した風鈴。戦地となったアンロンベンの子どもに「世界」を体感してもらった。

エピソード:ミャクミャクの「違和感」が、子どもたちの笑顔を生んだ
授業の冒頭、子どもたちが最初に口にしたのは率直な一言でした。
「これは何?」
ミャクミャクは、日本の子どもたちにとっては“見慣れた存在”でも、難民キャンプの子どもたちにとっては未知の造形です。しかし、その違和感こそが、異文化理解の扉になります。
「万博は、世界の国々が集まる場所なんだよ」
そう伝えると、子どもたちの表情が変わりました。
「世界にはたくさん面白いものがある。いつかいろんな国に行ってみたい。」

アンロンベンの赤ん坊に届いたミャクミャク。日本同様「何これ?」から愛着が生まれていった。

 フェイスシールを手にした子どもは、照れながらこう語りました。
「YouTubeで見たフェイスシールを、いつかやってみたいと思っていた。その夢が叶った。ミャクミャクありがとう。」
 厳しい生活があるからこそ、異物のように見えたキャラクターが、“貴重な異文化体験”へと転換し、笑顔と未来への言葉を引き出しました。ミャクミャクが象徴する「つながり」や「変化」の物語は、子どもたちの“明日を想像する力”を確かに刺激しました。

フェイスシールを体験する子どもたち。万博が終わった後もミャクミャクは世界で笑顔をつくる。

「文房具支援」×「世界の授業」-支援を“関係”に変える設計
 遊佐中学校の取り組みは、文房具を集めること自体が目的ではなく、「誰に、どんな気持ちを届けたいか」を言葉にして添えることで、支援を“作業”から“関係”へ変える点に特徴があります(Only oneノート)。
 今回の「なかよし万博」は、その設計をさらに一歩進め、
・物資支援(学用品)で「学ぶ環境」を支える
・グローバル授業で「世界を知る回路」をつくる
という二層構造で、子どもたちの“回復”にアプローチしました。

世界の片隅で平和を作るなかよし学園の活動

取り組みの意義:難民支援を通じて育つ「多国間主義の素地」
 各地で国際交流に取り組む学校は珍しくありません。しかし、本質的な差は、交流が「イベント」で終わるか、「困った時に助け合える関係構築」へ進むかにあります。
 難民支援・貧困地域の課題解決というテーマは、
・他者の困難を構造として理解する
・何が“本当に必要か”を考える
・物流・安全・文化差を踏まえ、実装する
という実践知を求めます。これは、現代の国際社会で不可欠なマルチラテラリズム(多国間主義)を、教育の現場で体得することに直結します。
 なかよし学園は、国内の学校で生まれた教材や支援物資を現地で実装し、手紙・写真・短い動画等で反応を学校へ還流する循環(CoRe Loop)を運用しています。
 「つながる」だけでなく、「助け合える関係」へ。これが、これまで難しいと思われてきた“本当のグローバル教育”の中核です。

現地の人を「先生」に育てていくのもなかよし学園の大切な活動

関係者コメント:山形県遊佐町立遊佐中学校 今野大輔教諭
「現地で子どもたちの反応に触れると、“世界”は教科書の外にあると痛感します。万博という入口が、難民キャンプの子どもたちの好奇心と笑顔につながったことは、教育の力そのものです。日本の生徒たちの学びも、これから確実に深まっていくはずです。」

なかよし学園プロジェクト 代表 中村雄一
「戦争は、日常を奪い、学びを奪い、未来を奪います。だからこそ私たちは未来をつくりたい。そこでなかよし学園はこれまでずっと“世界を知る授業”を行ってきました。世界地図を書いて「どこに日本がある?」「どこに君たちの国がある?」という質問から生徒たちは「同じ地球で生きている」ということを学び、それを「希望」に変えていきます。今回もミャクミャクへの違和感が笑顔に変わった瞬間、子どもたちの中に『日本をいつか自分の目で見たい』という希望の灯がともりました。
 そしてこれは日本の生徒児童にとっても同じ。支援は物資だけではなく、希望の回路をつくることなんです。なかよし学園はこれからも、日本でも世界でも、学校と地域の力を束ね、世界の現場で機能する学びを実装し続けます。」

知識だけでなく「体験」で世界を学ぶ。まさに「なかよし万博」を世界中で行っている。

今後の展開
 本取り組みは、現地からのフィードバックを受け取った後、学校内での共有・振り返りを経て、次の探究テーマ(平和、教育、貧困、物流、言語、文化等)へ接続していきます。なかよし学園は、授業設計・教材化・海外実装・フィードバックまでを一気通貫で支援し、学校現場の探究学習を“世界で機能する学び”へアップデートします。

団体概要
特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト
所在地:千葉県松戸市
代表者:中村雄一
活動内容:世界10カ国の紛争地・貧困地域での教育支援/日本全国の学校と海外をつなぐ「世界とつながる学び」プロジェクト運営/平和教育の国内外発信 ほか
本件に関するお問い合わせ
特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト(広報)
担当:中村里英
E-mail:peace.office@nakayoshigakuen.org

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