ヒッチハイクで日本一周の旅をしている、大分県出身のシンガー・ソングライター・尾上大河さんが3月26日、山形市を後にした。

日本一周のホワイトボードとともに旅を続ける

　尾上さんはプロのミュージシャンになるという夢を胸に、「世界に出るにはまず日本を知ることから始めよう」と日本一周を決意。出会いを大切にしたいという思いからヒッチハイクでの旅を始めた。昨年9月14日、大分県別府市を出発して北上し、3月18日に山形市に入った。各都道府県で必ず一曲作り次の県へ向かうスタイルを続けているため、普通のヒッチハイクよりも時間はかかるが、半年かけてようやく残りもあとわずかとなった。

　約1週間の滞在の中で、市内のさまざまな場所に歌を届けた。23日には地元大学生の学生サークルの卒業イベントにサプライズ参加し、春から社会人になる卒業生へ応援する歌を贈った。歌を聞いた学生たちは「優しい声に感動した。これから社会人として頑張ろうと思えた」と話す。24日・25日は市内の高齢者介護施設を訪問し、オリジナル曲から懐メロまで多くの歌を歌った。「ふるさと」や「上を向いて歩こう」など、利用者と共に歌う場面では思わず涙する利用者もいた。施設の代表者は「利用者が彼の歌で喜んでくれて良かった。彼のようにまっすぐに自分の道を突き進む若者は応援したくなる。これからの活躍を期待している」とエールを送る。

　「ヒッチハイクで乗せてくれた方や、行き着く街で出会った方が本当にやさしくて、そういう方の支えがあるからつらくはないし、むしろ毎日が楽しい」と尾上さん。「今までお世話になった人に少しでも感謝と元気を与えられるよう、プロのミュージシャンになって恩返したい」と夢を膨らませる。