豊烈神社(山形市桜町7)で10月6日、例大祭が開催され、県指定無形文化財の「古式打毬(だきゅう)」の奉納や「神輿(みこし)渡御」などが行われた。
古式打毬は現在、同神社と宮内庁、青森県の長者山新羅神社のみに継承されている貴重な文化財。この日はあいにくの雨模様だったが、紅白に分かれた6人の騎士が馬にまたがり、毬杖(きゅうじょう)ですくい上げた毬(まり)を小さな的目がけて投げ入れ、より早く6個の毬を入れることを競った。ぬかるんだ地面をもろともせず、威勢のいい声を上げた騎手たちが迫力ある攻防を見せ、訪れた観客を楽しませた。
午後からは山形市内で年内最後となる神輿渡御が執り行われ、渡御前の神事を終えたみこしが鳥居をくぐると、雲の隙間から日差しが差し込み雨も小雨に変わった。みこしの担ぎ手たちにも笑顔がこぼれ、「そいや!そいや!」という掛け声とともに足並みのそろったみこしが街へと繰り出した。
悪天候の中、時間を短縮したものや中止となった催しもあったが、宮司の齋藤博輝さんは「毎年例大祭は10月6日と日程が決まっているので、晴れの年があれば雨の年も必ずある。今年の経験は今後雨の日の神事を行うための勉強になったと思う」と話し、「みこしの宮出しと宮入の際には、それまで降っていた大雨がやみ、晴れ間が見えた。神の存在を感じる出来事だった」と振り返った。