作品展「ザワザワする作家たち」が6月14日、カフェ「SLOW JAM(スロージャム)」(山形市香澄町2、TEL 023-687-1320)で始まった。
地域雑誌「giinika(ジーニカ)」が今年3月に創刊したことを記念して行われる同イベント。編集長の井上瑶子さんは「創刊号では関わっていただいた作家さんがたくさんいたので、実際に作品を見ていただける機会があればと考えていた」と話す。創刊号の特集で紹介した福祉事業所「わたしの会社」に関わる人としてカフェ「SLOW JAM」の神保雅人さんを取材したことを機に、今回の作品展が決まった。
同イベントでは、「わたしの会社」の利用者が描いた絵画15点と手織りの作品、表紙と裏表紙の写真を撮影した大沼洋美さんの写真4点と動画作品、対談に登場した美術家の後藤拓朗さんの絵画5点を展示する。「わたしの会社」の作品は、テーマの「ザワザワ」に合わせ井上さんがリクエストして職員と一緒に選んだという。
神保さんは「新型コロナウイルスの感染対策で設置したパーテーションを利用し作品を展示したことで、より近くで作品を見ることができるようになった。各テーブルにはgiinikaの見本誌も設置しているので、誌面と作品を合わせて鑑賞してもらえれば。作品を撮影しSNSにアップしている人もいるなど好評」と笑顔を見せる。
イベントに合わせ期間限定で「わたしの会社」で販売する「わたしのたまご」を使ったスイーツ「台湾カステラ」を提供する。同事業所で取り扱う石鹸やTシャツ、ポストカードのほか、「giinika」創刊号表紙の写真を使用したトートバッグなども販売する。
神保さんは「今回の作品展が地元の福祉事業所や活躍されている作家を知る機会となり、お客さまの普段の生活が少しでも楽しいものになればうれしい。コロナ禍で退屈な日常になりがちだが、作品を鑑賞し、たくさんの表現に触れることで、前向きになってもらえれば」と期待する。
井上さんは「giinikaは山形の創作活動や市民活動を応援する雑誌。誌面で紹介した内容を実際に体験できる場をつくっていきたい。今後も、新型コロナウイルスの状況も加味しながら、今回のような展示やワークショップなどを企画し、雑誌づくり全体を通して地域の大切な場所を守っていければ」と話す。
「SLOW JAM」の営業時間は11時30分~18時(短縮営業中。土曜・日曜は17時まで)。木曜定休。同イベントは7月11日まで。