山形のデイサービスグランドホーム「樫の木」(山形市桧町1)で作られている「靴下人形」が、かわいいと話題になっている。
昨年7月にオープンした同施設では、利用者一人一人に合った過ごし方を見つけてもらうため、運動機能の維持と向上を目的とするリハビリテーションだけではなく、書道や工作などの自由で多彩な「機能訓練」を用意している。「靴下人形」はその機能訓練の一環として職員が提案し、利用者と一緒に作り始めたという。
「たまたまインターネットで目にした海外製の靴下人形を、試しに作ってみた。そしたら『かわいい』と評判で、利用者と一緒に作ってみることにした」とスタッフの中村英恵さん。材料はカラフルでポップな柄の靴下を選び、柄の切り替え部分やビーズなどのパーツをうまく利用して動物の形を表現している。
裁縫や綿を詰める作業を利用者とスタッフで分担し、世間話をしながら自分たちのペースでサルやウサギ、ネコなどの人形を楽しみながら制作。女性利用者の一人は「作っているときは気持ちが優しくなる。ここに来ることがますます楽しみになった。たくさん作って長生きしたい」と笑顔で話す。
「靴下人形」は希望者がいれば1体300円で販売しているが、制作者が気に入って自分で購入してしまうことも多いという。店舗では販売しておらず、直接同施設を訪れた人だけが購入できる。「今後は一般の方にももっと見てもらえるようにしていきたい。クリニックや雑貨店などでの販売もしていけたら」と中村さん。スタッフと利用者で試行錯誤を重ねながら、犬や熊などの新しい動物も考案中だという。