山形県東根市のサクランボの木で燻(いぶ)した「燻製(くんせい)調味料」と「燻製チーズ」が9月に完成し、販売を開始した。
サクランボの生産量日本一を誇る同市では、毎年伐採された古木や剪定(せんてい)枝が大量に捨てられている。これらの木を有効活用しようと、東根市観光協会、東根市商工観光課、山形市の薫製食堂「狼煙(のろし)」の店主、渡辺大輔さんが共同で商品開発を行った。
薫製に使うサクランボの木のスモークチップは、渡辺さんが自ら手作業で樹皮を剥がし、粉砕し製造している。長年薫製料理店を経営している渡辺さんでも、チップを手作りするのは初めてだったという。「チップが大きすぎても小さすぎてもいけないので、加減がとても難しかった」と振り返る。
完成した薫製調味料は「燻製醤油(しょうゆ)」「燻製醤油だし入り」「燻製オリーブ油」の3種類で、いずれも卵かけごはんや刺し身、パンやカルパッチョなど、熱を通さず料理にかけて食べるのがお勧めだという。そのほか「燻製おつまみチーズ」も開発した。
渡辺さんは「今まで薫製にして食べられなかった食材が薫製風味で楽しめる。山形のお土産品として、県内だけでなく県外にも普及していけば」と期待を寄せる。
同商品は「狼煙」の店頭で購入できるほか、東根市のふるさと納税の返礼品としても採用されている。