![大きく育ったレモン](https://images.keizai.biz/yamagata_keizai/headline/1453423843_photo.jpg)
大寒の1月21日、山形でレモンが実ったと地元民の話題を集めている。
レモンを栽培したのは山形市在住の石岡浩明さん。同栽培は4年程前から始めたといい、昨年は11個、今年は40個以上の実を付けたという。
かつて県外で会社勤めをしていたという石岡さんは、ブルーベリーの果樹農家を夢見て2011年に会社を退職し実家のある山形に帰郷した。農業大学校や園芸試験場に通い栽培の勉強をした石岡さんは、ブルーベリー栽培と並行して販売先の営業をしている時、県内各地で「山形で冬に売れる果物がない」という話を聞いたという。
「それなら自分が冬に販売できる果物を作ろうと考え、初めにパッションフルーツ栽培に取り組んだ。パッションフルーツは山形でなじみが薄かったこともあり人気を集めた。その後、レモン栽培に取り組もうと考えたが、ただ単に普通のレモンでは面白くないといろいろ調べ上げ、『菊池レモン』にたどり着いた」と石岡さん。
「菊池レモン」は、もともと北マリアナ諸島テニアン島で栽培されていた品種を、八丈島の菊池雄二さんが1940年頃に小笠原の父島に持ちこみ栽培を始めたといわれている品種。石岡さんによると、大きさは一般的なレモンが100グラムから130グラム程度であるのに対し、「菊池レモン」は300グラムから大きいものでは400グラムにまで成長する。味は酸味がマイルドで皮を食べてもえぐみが無く甘みを感じるのが特長という。
石岡さんのレモンは、専用の温室ハウスで栽培し、今は数が少ないので知り合いにゆずったり、今年から大沼デパートで販売もしているという。無農薬でのレモン栽培にこだわる石岡さんは「来年は土づくりをがんばりたい。いい土をつくって品質のいいレモンをつくり、もっと多くの人にこのレモンを味わってほしい」と意気込む。