山形・百目鬼温泉が10年目 早朝「朝風呂の会」も

日も上がらぬ早朝5時30分から、毎日欠かさず訪れている自称「朝風呂の会」の方々

日も上がらぬ早朝5時30分から、毎日欠かさず訪れている自称「朝風呂の会」の方々

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 山形市郊外の百目鬼地区にある日帰り入浴施設「百目鬼(どめき)温泉」が12月、開業から10年目を迎える。

田園風景を臨む露天風呂

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 2006年(平成18年)12月17日にオープンした同温泉は、のどかな田園の中にひっそりとたたずむ温泉施設として、市内を中心に県外からも多くの入浴客が訪れる。年間来場者は約24万人。

 もともと農業が盛んな同地では、農業用水のための井戸を掘っていた所、温泉を発見したことが始まりだという。地域住民で資金を出し合い2005年に「株式会社 本沢」を設立。同温泉の運営を行うことになった。温泉に併設されている野菜の直売所も、農家を中心としたメンバーで創設した。

 地下345メートルの場所で発見したという源泉は、わずか5メートルの幅で、川のように地下に流れている「流れ湯」という湯脈だという。絶えず流れる1日約500トンの湯量と、安定した湯温のため、同温泉では100パーセント源泉掛け流し、館内の暖房設備も一切石油を使わず湯でまかなっているという。

 「温まり」効果があるという塩化物線の湯は、冷え性に悩む女性や、スポーツをしている人、部活帰りの学生など、若い世代のファンも多い。

 開業当初からの常連客は、自称「朝風呂の会」をつくり、開店前の早朝5時30分から熱々の風呂を目当てに通っている。支配人の高橋四郎さんは「開店前のお風呂は『湯もみ』をしないと熱くて入れない。朝風呂の会のメンバーは湯もみを手伝ってくれている。熱い風呂が好きで湯もみをしてくれる人ならば5時30分から入りにきてもらっても構わない」と話す。

 2カ所の浴場にはそれぞれ露天風呂を備え、毎週月曜日に男湯と女湯の入れ替えを行っている。高橋さんは「露店風呂から見える田んぼの風景も人気の一つ。屋根もないので雪が降ったら降ったまま。街からさほど離れていない場所でこういう景観が楽しめるのが自慢」と話す。

 同温泉では3年程前から温泉水から採れる「塩」の製造にも取り組んでおり「百目鬼温泉の塩」として販売している。ミネラル分が多く、ほのかな甘みがあるという塩は、県内の菓子店などでも使われているという。

 営業時間は6時~22時。第1月曜定休。入浴料は、大人=350円、子ども=150円。

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