山形市にイベント衣装店「S-labo（山形市緑町4）」がオープンして2カ月がたった。

店主の佐藤ルリさん（右）と元木さとみさん

　今年4月にオープンした同店。イベントで着用する衣装の製作や修繕、裁縫指導など幅広く手掛けている。6月に同市で行われたさくらんぼ祭りでは、みこしを担いだ地元大学生のはっぴや、山形出身の演歌歌手くどうあやのさんのステージ衣装を手掛けた。

　店主の佐藤ルリさんは、今年3月で休校となった山形女子専門学校の元教員。「服飾を専門に学ぶ学校が休校してしまい、服飾の知識と技術を伝える場がなくなってしまう」との思いから、同じく元教員の元木さとみさんと共に店の立ち上げを決意した。店名は二人の名前と研究所という意味を込めて「S-labo」と名付けた。

　同店は主に作業場として使い、客との打ち合わせや仮縫いなどの作業を行う。普段はそれぞれの自宅で作業を進め、毎週火曜に2人で一緒に作業するという。店内での衣服の販売はしていないが、客のオーダーに合わせた衣装を手作りし提供する。時には幼稚園かばんを作ることもあるといい、「お客さまの希望をなるべくかなえられるよう研究し、作業している」と佐藤さん。衣装は客のデザイン画を基に製作していくという。料金は相談に応じて設定する。

　教員時代から約10年間、一緒にファッションショーを行ってきた山形美容専門学校などの支えも、店を構える後押しになったといい、「周りの方の支援や手助けで立ち上げられた。その人たちのために、服飾を通して何か手助けができればという思いが強かった」と佐藤さん。「お客さまに衣装を通して楽しみを見付けてもらえればうれしい。遠慮なく相談しに来てほしい」と呼び掛ける。

　営業時間は9時30分～17時30分。