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山形でデザインセミナー、県内企業9社の製品開発実例に

日野さんのアドバイスを受け製品開発を行った企業担当者が、セミナー参加者からの質問に答える

日野さんのアドバイスを受け製品開発を行った企業担当者が、セミナー参加者からの質問に答える

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 山形県工業技術センター(山形市松栄2)で3月24日、企業経営者や商品開発担当者向けのデザインセミナーが開催された。主催は山形デザインコンペティション実行委員会。

「魅力を伝えるデザイン」講師の日野明子さん

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 百貨店やショップと作家・産地をつなぐ「一人問屋」として知られるスタジオ木瓜の日野明子さんを講師に招き、「魅力を伝えるデザイン」をテーマに約2時間の講演を行った。当日は定員を上回る約40人の企業担当者が出席した。

 講演で日野さんは「そもそもデザインとは、魅力であり興味」と話し、「客が商品を手に取るときにどういった視点で見ているか、どこに魅力を感じるか」などについて解説した。「自分で作っていると当たり前になり、見落としてしまいがちな商品の魅力やPRポイントがある」「作り手が欠点だと思っているものでも、製品の特性として利用できる可能性を秘めている」など、客目線、売り場目線からのアドバイスに、うなずきながら熱心に耳を傾ける参加者の姿が見られた。

 セミナー後半は、本年度日野さんがアドバイザーを務めた同センターが主宰する「エクセレントデザイン塾」の取り組みを紹介。県内企業9社と共同で行った製品開発や、パッケージのブラッシュアップの過程で、どんな発想の転換が生まれたか作り手の心境の変化などについて解説を加えた。

 会場には塾に参加した企業関係者も訪れ、実際に開発を行った商品を前に、セミナー参加者からの質問などに答えていた。

 同センター担当者の大場智博さんは「良いものを作っても売れない、というのは作る時点で『売る』という視点が足りなかったのかもしれない。お客さまが実際に手に取って購入を決断し、使う姿までをリアルに想像することが大切。今回のデザインセミナーでは『魅力を伝える』ポイントや感覚を日ごろから鍛えるコツを教わった。山形には多種多様のものづくり企業があるが、この視点はどの業界でも共通に役に立つことだと思う。今後もこういった視点を強化する事業を継続していきたい」と話す。

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