山形の職人や企業とコラボしたオリジナル製品や、ヴィンテージ家具などを手掛けるデザインショップ「anori(アノリ)」(山形市あこや町2)がオープンし半年がたった。
楽器や音楽CDを扱う「ミュージック昭和」の2階に店舗を構える同店。オリジナルバッグや、リペアしたヴィンテージ家具などを展示販売している。製品のデザインを手掛けるデザイナーの高橋天央さんは山形市出身。大学で建築を学んだ後、大阪のデザイン事務所に就職。県内の家具工場を経て、2013年に独立しanoriを立ち上げた。
ショップ内でひときは目立つのが、一つ一つ柄や生地の違う手づくりのバッグ。高橋さんがデザインしたものを、村山市の縫製職人が形にする。バッグに使用されるレザーや布地は、椅子やソファに使われる張り地(はりじ)で、家具工場時代、製作の過程で大量に余ってしまう生地をどうにか活用しようという取り組みがきっかけだったという。独立後も始めは張り地を使ったバッグ作りからスタートし、現在は地元のクラフト作家やクリエーターとのコラボ製品を考案するほか、企業のプロダクトやパッケージ、webデザインなども手掛ける。
ショップでは廃校になった学校などから集めたという下足箱を、ヴィンテージ感漂うディスプレー棚として使うほか、壁やテーブルにはバッグの素材としても使われているレザーやファブリックをさりげなく飾る。
高橋さんは「今後は自社製品を持たない下請け企業との仕事を増やしていきたい。確かな技術でクオリティーの高いオリジナル製品が必ず生み出せるはず。自分がそういった企業の手助けができれば」と語る。
営業時間は10時~18時。火曜・日曜定休。