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山形の「初飴」製造大詰め 料理に使う裏技も

縁起物として年末年始に山形で親しまれてきた「初飴(はつあめ)」

縁起物として年末年始に山形で親しまれてきた「初飴(はつあめ)」

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 山形県唯一の「初飴(はつあめ)」メーカー「大山製菓」(山形市北山形2)で現在、山形の冬の風物詩「初飴(はつあめ)」の製造が大詰めを迎えている。

手作業で大量の初飴を出荷する6人の従業員

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 初飴はキャラメルのような柔らかさを残した「生あめ」。江戸時代に山形を治めていた最上義光公の時代から、特産品の紅花の豊作や、家内安全などの願いを込めた縁起物として、400年以上山形で親しまれてきた。

 戦後、県内には初飴を作る工場が20~30軒ほどあったが、時代の流れとともにその数は減少していったという。8年前には同社も廃業の危機を迎えたが、「初飴の伝統を途絶えさせたくない」との思いから、現在の総務部長である鈴木健太郎さんが、父親と共に引き継ぎ、現在では初飴を作る最後の工場となっている。

 従業員数は6人で、普段は地場の果汁を使った飴や、黒飴、べっこう飴、特注品などを製造しており、県内の旅館や土産物店などで販売している。例年12月に初飴の製造が最盛期を迎え、1月までの2カ月間で約10トンもの初飴を手作業で製造している。

 鈴木さんは「初飴はレシピ上、寒い冬にしか作れない」と話す。「今年は例年よりも気温が高かったため、飴の固まりが遅く大変だった」とも。

 同社では昔ながらの「紅白」「あんこ」のほか、「バナナ」や「イチゴミルク」など全7種類を製造する。原料は麦から作ったこくのある水飴で、昔ながらの「引き飴」技法で製造しているという。鈴木さんは「特に『紅白』は、香料などを一切使わない無添加の飴のため、鶏やブリの照り焼きなどの料理に使ったり、コーヒーに入れたりという裏技もある」と話す。

 初飴は1月10日に山形市で行われる「初市」や、県内のスーパーなどで販売する。

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